ミドル受難の時代 〜ミドルに全て集中させていませんか?〜

上司や部下の調整役から現場作業、毎日の業務で手いっぱい、現状維持を優先せざるを得ないミドル。企業が生き残るには時代に合わせた価値観の変化が必要です。変化の時代である今、「多様性」「スタッフの心理的安全性」「健全な競争環境」が企業を強くすることは、皆さまご存知のとおり。現場・顧客接点を持ち、経営の意図に触れる機会があるミドルを変化させ「強い層」になるよう支援することが企業成長への確実な近道。このコラムでは、ミドルを起点にした企業改革の在り方についてお届けします。
「役職に就いていない社員等の管理職への昇進希望(左図) と管理職を希望しない理由」
出典:平成 30 年版 ―働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について― 厚生労働省 労働経済の分析
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/18/dl/18-2.pdf
時代の変化(経営の変化、メンバーの雇用形態、価値観の多様化)
時代とともに、現代の外部環境・内部環境はどのように変わりつつあるのでしょうか?まずは3つのポイントからチェックしてみましょう。
【経営の変化】
高度経済成長を経て、供給が需要を上回る成熟市場へと発展した現代。物を買う人が減り、企業利益に繋げることが難しくなっていると実感している企業も多いことでしょう。右肩上がりだった時代に培われた成功事例や、これまでの常識は通用しないことを再認識しなくてはなりません。
【雇用形態の変化】
年功序列・経験の有無が優先される従来の雇用スタンスから、年齢や経験に関係なく自分の気づきやアイディアからビジネスを創造し、実行できる人材が必要とされる時代に変化。新しいビジネスを成功させるのは時代に即した選択眼を持っている人であり、経験が必ずしも有用でない場合もあります。
【価値観の多様化】
会社のためではなく自分のために働く時代へ。グローバル化や情報化、女性の社会進出により、価値観やライフスタイルの多様化が進んでいるからこそ、自分が目指す目標やキャリアに応じた多様な働き方を自分で選択することが必要とされています。
ミドルに求められる要件の変化
大きく変化する時流に合わせ、ビジネスも会社のあり方も変わらなくてはなりません。
残業削減目的の働き方改革ではミドルの負担は減らないという調査結果もあります。
出典:株式会社リクルートスタッフィング「従業員数300人以上の企業に勤める25〜65歳の管理職に対するアンケート調査」
https://www.r-staffig.co.jp/corporate/news/2019/093001.html
働き方改革でミドルのモチベーションを上げるか下げるかは、企業の取り組みや施策内容によって大きく変わります。助けてくれた相手を助けたいと、人は思うもの。一方的に数字や目標を与えてミドル個人に結果を求めるのではなく企業そのものが時代に対応し、ミドルの組織作りを支援する、これが社員意識の変革と社内エンゲージメントの上昇に繋がります。
時代の変化とともに会社も変わらなくてはならない
変化を求めず、働き方が保守的でも成果が出せたのは過去のものです。企業で働き、安定した生活環境があれば十分、それ以上の変化はいらないと感じる傾向も現実的ではありません。しかしリスクを背負って課題と向き合い、解決策を提案・実行することに不安がでるのは当然です。だからこそ、社員を動かすためには企業そのものが変わらなければなりません。ミドルが自ら動ける環境を会社が与える、そのための工夫や意識改革が必要とされているのです。
ミドル個人がリーダーシップをとる組織の限界
企業の中堅であるミドルは、現場で起きている細やかな事象を把握しており、多角的な視点で全体を見るに十分な経験を持ち合わせています。プレイヤーであり若手社員をまとめるチームマネージメントの役割を担うオールラウンダーでありながら、「業務が忙しい」「変化に対する意識が低い」など会社の中核としての役割認識が不足しているのもまた事実。さらにAI技術やグローバル化など凄まじいスピードで発展していく環境の変化に対応するためには、ミドル個人の力では限界があります。ミドル1人が頑張るのではなく、正解のない問いに対して、上司や部下など周囲を巻き込みながら解決していく。こうしたミドルの活躍が、組織のパフォーマンス向上に繋がるのです。
ミドルのマインドを変えれば、組織が変わる
現場の最前線を仕切り、上層部にも部下にも影響を与えるミドルの存在。不確実な時代に勝ち残るのは会社の中心である経験豊富なミドルが会社の支援を受けて活躍する「ミドルマネジメントを起点にした変化に強い組織」であることが、おわかりいただけたと思います。その中で、ミドルに必要とされる要件はどのようなものでしょうか。必要とされる要件の変化イメージがこちらです。
【仕事ぶり】要求に早く正確に答える→自ら課題発見をする
【仕事の進め方】計画の正確性→実行からの学習
【意思決定】定型的な判断→非定型の決断
【部下への対峙】指示を出す→支援する
【周囲との連携】調整をつける→共創する
ENAGEEDが発信する次世代型ビジネススキーム「ENAGEED for Biz」は、ミドルマネジメント層に必要なメソッドプログラムの提供と支援するツールを提供しています。上記に挙げた要件の前と後、どちらのマインドを現状持ち合わせているか比べてみてください。
役割を超えた、能動性の高い組織のつくり方
ENAGEEDが考える「ミドルを起点にした変化に強い組織」とは、主に3つの要素から成り立っています。
- 影響力
現場を把握する経験豊富なミドルを起点にすることで、局所的な変化ではなく企業の組織全体に変化を広げていくことが可能です。
- 変革スピード
通常なら数年かけて行う階層別研修では時代のスピードに追いつけません。ENAGEEDでは約半年間のプログラムで実行し、組織の変革スピードを早めていきます。
- 再現性の確立
自組織内でトライ&エラーを繰り返すことで組織内の学習効果が高まり、再現性を確立します。
上記に挙げた3つの要素を実現すべく、ENEGEED for Bizでは、実践型研修プログラムと効果定着ツールを活用することで能動性のある組織づくりをサポートしています。
Step1 : ミドルが能動的に考え、動くためのメソッドを理解する
–メソッド「能動性」「実現力」「他者視点」「目的意識」を学習
–グループワーク通じて議論、実践する
Step2 : 上記のメソッドを組織に伝播し、能動的な組織づくり実践する
–受け身組織が生まれる原因を理解
–目標設定、1on1、課会などで独自ツールを活用してコミュニケーションを実践
Step3 : メンバーの目標達成を支援し続けることで効果を定着化し組織成果を生み出す
–日々のアクションへ支援をWebツールで実践
–行動の変化を可視化し、PDCAを回す
経験と実績を豊富に持つミドルが起点となり牽引していくことが、これからの時代に負けない組織づくりには必要不可欠です。実践と学びをリンクさせたビジネススキームを最大限に活用し、役割を超えた能動性の高い組織へと変化していくために何をすべきか、企業として考えてみてはいかがでしょうか。
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