創業120年以上、日本初の計器メーカーとして最前線で活躍している東京計器株式会社。航海計器や防衛機器、油圧機器、情報・通信機器など、最新のテクノロジーで安心・安全な社会の基盤を支えている歴史ある企業です。
今回は、国内外にある工場より、栃木県佐野市にある佐野工場を訪問。部品購買等の調達責任者として資材課を担当する傍ら、次世代リーダーの育成や幹部候補への教育を行う吉田様にお話を伺いました。
資材課と人材育成を兼任しています
️佐野工場の役割と普段のお仕事内容についてお聞かせください。
「東京計器では、民需・官需・軍需とありますが、佐野工場は民需事業がメイン。油圧制御システムカンパニーという位置付けで、主に油圧の部品を設計・製造・販売を行なっています。私の担当部署となる資材課は、調達管理・海外調達・部品管理と東京本社の分室がありまして、私はこの4グループを取りまとめる長として動いています。主な役割はコストダウンや納期調整ですので、適正な品質の部品を最適納期、適正価格で購入することが1番求められる部署でもありますね。そしてもう一つ、佐野工場の将来を担うリーダー・幹部候補の人材育成が私の担当です。人材育成に関しては以前から力を入れていて、佐野工場の工場長が中心となって人事委員会を立ち上げ『リーダー教育』『プロ化計画』と進めています。実際に私から見ても優秀な若手や中堅は多く、彼らが活躍したら佐野工場はもっとすごくなると思う反面、先を見て自分で前に進んでいくための何かが足りないと感じていたところはありました。」
次の世代に繋げる人材育成の準備
◾️人材育成について、具体的にどのような課題がありましたか?
「世代交代の準備を今からしなければならない、という課題ですね。今と昔では時代が違いますから、良い人材が出てくるのを待っていられません。佐野工場に勤務している方は40代が少なくて、50代後半の上司と30代の部下という年齢差。どこか遠慮しているというか、気を使うわけではないけど上司の指示を部下が待っている雰囲気があって。問題は見えているけど、一歩踏み出すのを留まるというか。とはいえ世代交代の時期もあるので、若い人に活躍してもらわなければならないし、いずれにせよ近い未来に世代交代に直面します。東京計器は歴史の長い会社ですが、世の中がどんどん進む中で当時のやり方を頑なに守り続けると、時代に追いつけない部分がどうしても出てきてしまう。そんな状況下で次のイノベーションを起こすためには、自ら考えて行動する人材育成が必要だと私は感じています。だからこそ、若くて経験が浅くても意欲がある人間には会社として積極的に投資して育てていくという姿勢で、世代交代の準備をしているところです。私自身、東京計器に入社したとき、今あるノウハウを次の世代に繋げてほしいと現カンパニー長から託されましたので、その使命感はありますよ(笑)佐野工場には素晴らしい若手がたくさんいますから、今の世代以上に成長してほしい。だからこそ自分が持っているものを何も隠すことなく全て伝えるために何ができるのか模索していました。」
若手の心に火を付ける=エナジードだった
◾️エナジードに興味を持ったきっかけは?
「知識や経験を正しく使えるマインドとスキルの両方を持った人材にポジションを与えたいと思うものの、マインドの教育がなかなかできず、手をこまねいていた状況だったことが人材育成の課題でした。とくに職人気質が強い上の世代に若手が相談すると、端的な答えに戸惑い結局どうすればいいか分からず踏み留まってしまう部分が見えていたので・・・何か間に入ってあげられないかと常に考えてはいました。人材育成に力を入れている佐野工場では、ヒューマンスキルやビジネススキルを伝える『リーダー教育』に続いて、特級技能士など上位の資格を取得して世の中で通用する人材(本当の意味でのプロ)を育成する『プロ化計画』を立ち上げましたが、部下の心に火を付けるマインドセットをどうすればいいのか悩みましたね。このタイミングで見つけたのが人事関連の展示会に出展していたエナジード。レベル4の大きなピラミッド看板に『言われたことしかしない・レベル1』と展示されていたのを見て、マインド教育はまさにコレだ!と思いました。ちょうどリーダー教育が終わってプロ化計画を立ち上げた頃だったので、レベル4の人間になってほしいと若手に伝えられたら、プロ化計画が成功すると確信しましたね。どうしても埋まらないパズルのワンピースがはまる、エナジードとの出会いに運命を感じました。」
プログラムの流れと構成、着地点が素晴らしい!
◾️エナジード以外の選択肢は検討されましたか?
「私たちが目指すのは、自ら提案して動き出せる『レベル4』の人材と明確でしたので、エナジードの研修一択でした。というのも、エナジードの課題の出し方、プログラムの構成、そして着地点に向かう流れが本当に素晴らしい。私自身、前職で沢山の研修を受けましたが、ここまでマインドセットに特化した研修は珍しいし、受けたことがないです。もちろん他の研修でもマインドセット的なものはありますけど、エナジードは圧倒的に情報量が多いですね。内容も難しくないし感性で考えられるから自然にスッと入ります。上からでなく、横に寄り添う研修というイメージでしょうか。答えに向かって誘導するような内容ではないから、素直に参加できる研修だと思います。」
受講者が主導になるから「動機付け」ができる
■エナジードを導入しようと決めた理由は?
「キャラクター分析やビジネスマナーなど、基本的な研修は人事が中心となり私も工場側の研修等フォローさせていただいていましたが、もっと強化したいと感じていたのがマインド部分の動機付けです。知識のインプットはできるけど、限られた時間の中ではヒントを与えられるくらい。次の成長を描く中で社員の提案力と行動力はとても重要ですから、研修を受ける側が主導になるプログラムだったことが、エナジードに決めた理由でした。」佐野工場には、すでにレベル3の若手や中堅がいましたので、エナジードの研修を受けたらレベル4になれるだろうと想像ができたのもありますね。『今までにない内容で面白そう。タメになりそうですね』とエナジードの体験研修へ一緒に行った部下の言葉もあり、間違いないなと思いました。」
予想以上の相乗効果がありました
◾️エナジードの研修で受講者に変化はありましたか?
「1stが終了した時点ですぐに効果が出ました。『自分のレベルがいくつか気付いた』『レベル4になりきれていないと分かった』『言うけどやらないはレベル2だった』と参加者の目の色が変わりましたね。とくに2ndの『できない理由をできる理由に変える』手法を知ってからは、できない理由を言うだけで行動しない人がほぼいなくなりました。逆を言えば、私たちに『できない理由が分かるならできるな』と言われますから『できない=やばい』という顔になります。これは大きいですね。3回目の他者視点を学んだ上で自分の理想に近づくために何をすればいいのか学び、4回目になると、こんな発言までするようになったのか・・・!と部下の成長を感じてうるっとしたほど(笑)自分の考えをメンバーに共有している姿を見て、親心ではないけどエナジードを取り入れてよかったと心から思いました。ゴールを設定するのは自分であって周りは関係ない。ゴールに対して動いた人がゴールに行けることに気付けたんです。『やっていいんですね!』と遠慮が取れた感じ。回を重ねるごとに受講者たちの言動が変わり、うまくいったぞ!という感覚が強かったです。」
オブザーバー参加はおすすめです
◾️主催者として、これはやってよかったと感じたことはありますか?
「今回の研修には、工場長とプロダクトマネージャー、私がオブザーバーとして参加しましたが、すごくよかったです。参加メンバーと同じ土俵に立ってテーブルを回る。そうやって部下や工場のメンバーがどんな思考を持っているのか生の意見や考えを聞けたのは、とても良い経験でした。エナジードの研修開催に賛同してくれた工場長が『やってよかった。将来が楽しみだな!』と言ってくれたのは、導入を決めた発起人としても嬉しいです。リーダー教育、プロ化計画、そしてエナジード。この横一線の教育プロジェクトがパズルのようにピタッとはまったことで、佐野工場として人を育てる基盤に大きくつながったと思います。あとは『行動することの重要性』に気付いてくれた受講生たちが、次の世代として成長を加速してくれれば、導入者冥利につきますね。今回は、佐野工場のプロ化計画の一環としてエナジードを取り入れましたが、人事部の協力を得て、この研修が全社の研修の一つになっていくことを期待しています。」
東京計器株式会社
創業 1896年(明治29年)
本社 〒144-8551 東京都大田区南蒲田2-16-46
佐野工場 〒327-0816 栃木県佐野市栄町1-1
公式サイト https://www.tokyokeiki.jp/
※データは2022年2月のものです
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