Yさんは、「見た目には現れない身体の不調を持った人が優先席に座りづらい」という問題に目をつけ解決のための手段を考案し発表しましたその問題に目をつけたきっかけは、彼女自身の電車内での体験にありました。
彼女は貧血持ちで、通学中の電車内でよく具合が悪くなるそうです。具合が悪くなり優先席に座っていると、症状が見た目には現れていないことから、「なぜあなたがそこに座っているのか」という視線を感じてしまいました。
それ以降、貧血で具合が悪くなったとしても、またあの視線を感じてしまうのではないかと考えてしまい、優先席に座ることができなくなってしまったそうです。
優先席は体調不良者も優先的に利用することができます。
それにも関わらず、見た目に現れていないだけで優先席を利用するハードルが上がってしまっていることに、Yさんは問題意識を感じました。
Yさんはこの問題の原因を、「優先席マークのイラストが見た目で不調が判断できる人たちを描いていること」にあると考えました。そして、見た目に関わらず不調を抱える人が気軽に優先席を使えるために優先席の新しい名称とイラストを考案しました。その名も「みんなの席」です。
「見た目では不調かどうか判断されにくい人」を真ん中に配置し、周りの人が寄り添う形になっています。
イラストは「アットホーム感」を感じられるオレンジ色で、名称は大人にも子どもに伝わりやすく、柔らかい印象を感じられる「みんなの席」となっています。
1. ENAGEED SUMMIT2020に参加した感想をお聞かせください。
全国大会と言われ最初はとても緊張していました。 PowerPointすら使ったことがなかったのでとても緊張していたのですが、自分の順番が来るまで他の人の発表を聞いていると面白くて、自分の発表までには緊張はほぐれて楽しい気持ちで望むことができました。
自分は考え方が堅い人なので、柔軟に物事を考えることが苦手なんです。プレゼンで私が出したアイデアも身近にあるようなもので、さらに深めたり広げたりできませんでした。他の参加者の中には発明のようなアイデアを出していている人もいて、シンプルにすごいなと思いました。そういう意味で自分の視野や価値観のようなものも広がりました。
2.ENAGEED SUMMIT2020に参加して変わったことや成長したことを教えてください。
みんなの前で発表をするということに関してはすごく成長しました。堂々とできるようになりました。いろんな人が見ている中でプレゼンをし、さらに賞をもらったことで自信がつきました。私が通っている学校には生徒が礼拝をする制度があって、中学校の頃からやってきたことではあるのですが、みんなの前で話すと知っている人の前でもやっぱり緊張してしまうんですね。自分の話をちゃんと聞いてもらえるのかどうかが不安で、ドキドキしてしまっていました。でも今は、全然知らない人たちの前でプレゼンをして賞を取れたという経験があるので、知っている人たちの前では全然緊張しないで話せるようになりました。
あとは、小さな問題を見つけて考えるようになったり、何かに対して行動を起こしていくということに関しても変化がありました。自分の家の周りの小さな問題に気がつくようになったり、問題だけでなく助けを必要としている人に対しても行動を起こすようになりました。
3.今年度のENAGEED SUMMIT参加者にメッセージがあれば教えてください。
「自分は賞を取ることができる」という自信を持って発表に望んで欲しいなと思います。生活している中で身近な問題について少しでも行動してみることや、誰かの手助けをしたり、年齢も職業も違う人たちと話したりすることは、自分のためになります。そういった経験はぜひ同年代の人たちにも経験して欲しいなと思います。